屍者の帝国の感想

 屍者の帝国、ハーモニー。二つとも見たriversideです。
 今回は屍者の帝国の感想を言います。予定だったらハーモニーについても今日中に触れたかったんですが、屍者の帝国に言いたいことがありすぎて今日中ムリです。
 なので、とりあえず、屍者の帝国の感想を言いたいと思います。ちなみに二回見ました。
 点数をつけるなら、屍者の帝国は40点。勿論100点中の話です。この点数は原作を考慮していない物です。原作を考慮した点数で出すなら、20点です。私は東方とかアイマスとかの原作どうこうについてはわりかし寛容ですが、伊東計劃に関しては原作厨ですので酷評してます。
 何が悪かったのかは、まぁ続きからどうぞ
 勿論、ネタバレがあるので、見てない人は踏まないように

 以下ネタバレ。
 まずは屍者の帝国から。
 とりあえず、評価したい点から

 ・背景の美しさ、センスのあるBGM
 ・大道具をきちんと丁寧に仕上げている(この部分だけでも80点ぐらいあげたい)
 ・スチームパンクの描写が非常によろしい
 ・屍者の歩き方が良い具合に調整されている
 ・日本の描写が面白い。西洋的なものと日本のものが混ざり合った感じが良い。ニンジャスレイヤーを少し思い出した。

 こんぐらい。
 文句を言いたいのはこっち。

 ・基本的にキャラが原作と違う。のはまだ良いとして、バーナビーがただの喧嘩屋になってしまっている。原作では鋭いところをつけるキャラだったのに、それがなくなってる。
 ・ピンカートンとか名前だけで、何してるのか謎。ワトソンは「大統領自ら売り込んでいるのか……」と驚愕してるけど、後には一切出てこない。
 ・山岳地帯で野菜食べるって不可能だろ。立てこもってるのにどうやって野菜仕入れてるんだよ。雪降ってますけど。
 ・山澤が二刀流の屍者に腹を貫かれたときに、「内臓を外しました」と言ってくれない。俺の山澤はもっと強いんじゃ……
 ・バトラーがいないので、天皇襲撃事件が起きない。
 ・大村益次郎はいずこ
 
 聡明な皆さんなら気付いたと思いますが、ストーリーに評価しているところが一切ありませんね。
 背景は非常に美しいんですよ。ご飯がおいしそうなシーンが幾つもあったのも良かった。

 ここから先はストーリーのダメなところをついていきます。
 先に言っておきますが、分かりにくくなりそうなので、原作の話は一切しません。
 単純に映画の道筋としてどうなのかを語りたいと思います。

 屍者の帝国を原作からまったく切り離して考えたとして40点と先述しました。 
 原作と切り離してしまえば、主人公等々も良いかなと思います。原作をありのままにしてしまうと何より尺が足りないと思いますし、エンタメ化しないとライト層が取り込めないのでしょう。
 実際、僕が映画館に訪れたとき、女性客が非常に多かった。2:8ぐらいの比率で女の人が多かったですね。これはワトソン君とフライデー、バーナビーの容姿だったりなんだったりが、彼女らを招いたのでしょう。それについてはまぁどうでもよかったりします。僕だってハダリーのおっぱい凝視してました。
 ひどいのはキャラじゃない。ストーリーや設定なんです。
 良いですよ、ワトソン君がフライデーが大好きであったとしても。問題はその親密さ、関係の深さが作中で見えてこないことにある。なんかワトソンはフライデー好き好きな感じだけど、フライデーはそんな素振りないってね。
 作中の回想では、死期を悟ったフライデーが、ワトソンに自分が考えた理論を証明してほしい的な会話をします。(フライデー自身が屍者となり、二人だけの共通なサインによって魂があるのかどうかを証明するというもの)
 それが起点となり、ワトソンはフライデーの屍体を使って屍者化します。ここまでは良い。
 しかし、その後のワトソン君の台詞が、「僕はもう一度君の声が聞きたい」や「君の書く言葉が好きだった」といったもの。
 お前、フライデーの遺言覚えてる? 全部お前の独りよがりじゃねーか。

 まだあるよ。
 ハダリーが屍者を操る説明が人造人間だからで止まってる。なんだそれ、最強かよ。
 原作でも屍者を操ってますが、屍者を動かす物の存在が分かっているから出来たんですよ。しかし、映画ではそれについて説明が一切ない。いや、原作を読んでいる人からすると、ワンと戦ってる時のアレがアレでと分かるんでしょうが、原作未読者からしたら、なんで? ってなるよ。
 ハダリーだけじゃないですが、全体的に何やってんのか分かんないことだらけなんですよね。まぁ難しいとは思います。概念的なものを映像にするのは。でも、説明不足にも程がある。

 中でもひどいと思うのはラストですね。
 ラストシーンを掻い摘んで追っていきます。
 ロンドンで屍者が暴走します。屍者に食い殺された奴は全員屍者になります。(※1)地球がヤバイ。主人公たちがヴィクターの手記を破壊すれば止まるようなので、ロンドン塔に行きます。(※2)
 Mが人類を救うと言って、全人類を屍者に。(ハーモニクスのことなので、個人的にニヤニヤしてました。ただし、原作を保管してないとなぜそんな突飛な発想に至ったのかは分からない)
 阻止しました。次はザ・ワンが花嫁を欲しがります。(これも原作を保管してないと)
 止めます。(※3)
 ワトソンの家へ。フライデーに頼み、ワトソン自身が屍者化する。そしてフェードアウトしてED。(※4)
 そこで、原作ラストのエピソードがフライデーによって朗読される。EDが終わって、Cパート。(ここから原作にない場面)そこには、シャーロック・ホームズと元気に走り回るワトソン君の姿が! ハダリーはアイリーン・アドラーに。屋根にはフライデーが!
 おしまい

 はい。掻い摘みました、ほんとこんな感じでした。ツッコミたいのが※印です。
 ※1 後で生き返ります。死者に喉元食われて屍者になった描写があるにも関わらず、大丈夫でした。良く分かりません。
 ※2 中盤でワトソンが手記を破棄しなかったので、世界が散々な目にあいました。償いしたいから破壊を手伝ってくれということで、皆でロンドンに行きましたが、ザ・ワンを倒したらちゃっかり持って帰ってます。危険だから壊す壊す言うてたでしょ、君。頭大丈夫か。
 ※3 止め方がほんと謎。緑色の光だとかあの結晶とか、原作を読んでいればある程度把握はできますが、映画は説明不足なので何をやってるのか、たぶん未読者は分からないです。勢いに任せてなぁなぁにしてるとしか思えません。友達はポ○モンの某映画を思い出したと言ってました笑
 ※4 後でホームズが出てきますが、EDの声優のところでホームズって名前が出てるので台無し。

 ひどいのは、ワトソンが自身を屍者化したのに、ED明けに元気いっぱいなんですね。しかも、フライデーとはなぜかお別れしている。お前、散々フライデーフライデー言ってただろ……。
 しかも、アレですからね。自身を屍者化してEDでフライデーの意識が戻った的な朗読があってオチたと思った瞬間ですからね。さっきの感動を返せって感じです。
 一見しただけだと、ほんと良く分かんない終わりだと思います。簡素な感想サイト見て、「良く分かんなかったけど、良い映画でした」って書いてあるのとか読んでぞっとしましたね。良く分かんないのに、良いとか分かんのかよ……。

 一応、僕の方で映画はこういうことを表現したかったんじゃないかと考察したので書いていきます。
 まずは、ワトソンが元気な理由。
 ワトソンが自身に行ったのは屍者化ですが、普通の屍者化とは違います。生きながらにして屍者化したわけです。これはアレクセイが行った屍者化です。変性音楽とアヘンによって行うものですが、アレクセイとの違いはヴィクターの手記があるかどうかです。恐らくですが、ワトソンはその手記の内容を自身の体に埋め込んだんでしょう。その過程で、ワトソンはザ・ワンと同じタイプの屍者になったんじゃないでしょうか。
 ただ、これがCパートで元気いっぱいの理由です。ザ・ワンも元気でした。

 もういっちょ、フライデーと別れた理由。
 EDでフライデーが「彼は地平線の向こうに行ってしまった」みたいなことを言ってたことに注目します。その彼、というのはワトソンの記憶なのではないでしょうかね。記憶は魂のありかを証明できる。これはフライデーが屍者になった後で、合図を送るという手法で証明しようとしたものです。
 逆に言うなら、記憶がなきゃ魂は死んだっていうことなんですよね。恐らく、ワトソンは屍者化した際に記憶を無くしています。というか、手記で上書きされた? そんなわけで、多分彼はフライデーのことを覚えていないんじゃないでしょうかね……。そう考えると、ED後にフライデーに何も触れてないことも理解はできます。

 まぁまだ解せないところはあるんですがね。
 映画のラストシーンで、フライデーがワトソンを見て微笑みます。普通に屍者は微笑みません。そう考えるならばフライデーは意識を持っていることになる。EDの語りを考えてもそうだと思っていいはず。
 ただ、彼の目がですね、屍者の時のまんまなんですよ。虚ろな、屍者特有の目。これは謎です。原作にない部分なので……。

 とりあえず言いたいことは言いました。これから原作を読むであろう人のために、原作には触れてません。
 なんていうか、粗削りなんですよね。分かりますよ、実際の原作をやるとすると、どう見繕っても4時間はかかるでしょう。それに、恐らく屍者の帝国好きしか見ないです。浅く広くお客さんをとらえるために、こういった形に落ち着いたのでしょう。そこには文句言いません。いや、言いたいけど、我慢します。
 ただ、原作を崩してまでとっつきしやすくしたんでしょう? 浅く広くお客さんを捕まえたいんでしょう?
 なら、もうちょっと説明に力を入れても良いんじゃないですかね。
 例えば、これまでにも難しい推理物とか色々出てるわけですよ。それの何が面白いってきちんと考えれば解けるからだと思うんですよね。これは深く狭くの世界だから許されることだと思います。
 でも、屍者の帝国はわざわざ原作を崩して、とっつきやすくしたわけですよ。だったら、説明を過多にしなきゃダメなんじゃないのと。ヒントもなくてただ物語が展開されるだけになってる。頭カラッポにして見れるようなアニメならともかく、色々ややこしい作品なんだから尚更分からせる努力がいるんじゃないでしょうかね。
 一応作家なので、そこら辺は自分も気をつけたいところです。
 とりあえず、屍者の帝国の感想は終わりにします。疲れた。また明日ハーモニーの感想書きます。
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